私を育ててくれたシステムたち その7

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このシリーズはソリットコンサルティング代表吉岡大介が
今までのキャリアで携わってきたシステムたちと、その開発を
通して吉岡大介が成長する様を記した実話に基づくものがたりである
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※期間   2000年7月~2001年2月

※システム名  酒類卸売業向け顧客管理システム

※規模・構成  SE1名(私)WindowsNT Oracle8.0.5 ACCESS,Visual Basic

※ポジション  メインSEとして保守、追加案件受注

基幹システム受注のついでに、日本酒の会みたいなゆるい集まりの会員管理システムの話があり、これくらいなら吉岡やってこいと送り込まれた案件。窓口は30代後半?くらいの肝の据わった豪快な酒飲みお姉さま。細かな内容は失念してしまったが、日本酒の会の運営や会員のサポートに強くコミットしているようで、良くなるためのアイデア、要望を訪問の度にもらいなんとか形にしたり図を使って説明したりしていた。

基幹システムの保守工数の枠の中だったように思うが、いい顔をして手厚くサポートしていては私の時間が利益を生まない活動だらけになってしまうが、要望は追加受注のネタでもあるから会社にもお客さんにもメリットがあるように考えなさいと上司からの暗黙のメッセージだったと思う。

なんとか話を膨らませて一機能に仕立て上げ、数十万程度の、自社パッケージの画面を流用したミニ機能追加受注にこぎつけられたときは「これで訪問何回分かのタダ働きが取り返せた!」とホッとしたものだ。昨今のプロジェクトは規模が100人を超えることも多いが、そんなプロジェクトに新人同様で送り込まれる若手には当然ながら自分の活動がいくらの利益を生むのかの感覚が全く欠如している。無理もないがこれはかわいそうな話だと思う。お客さんの目に留まることもほとんどなく、何をしようが毎月定額の給料が振り込まれる境遇に置かれた場合、気にすることは一つ「楽して早く帰る」だけになる。期日に遅れると余計にお金を払うことになるお客さんのことも、自分のアウトプットが金額に見合うだけの品質かどうかを問うこともない。

話は逸れたがこの会社、酒屋だけあって社内のいたるところにお酒が置いてあった。また試飲会と称して昼間から日本酒を飲んだりする。私はさすがにお供することは避けたが、お姉さまは試飲会と聞くと説明中でも飛んでいき、小一時間してほろ酔いで戻ってきては意味もなくエンターキーを連打したりするのでよく画面がエラーを起こした。「ダメじゃん、エラーだって!カカカカ!」と高笑いするお姉さまに軽く殺意を覚え、追加受注のUI設計では酔っ払い対策として連打しても相手にしないような仕掛けを本当に入れたりした。

この案件はすることがなくなっても2、3ヶ月に一度くらい呼び出されたが、最後はおしゃべりに近く、行くと四号瓶や大量の酒粕を持たされて帰りに重くて困った。また今でこそ白状するが、社内向けには外出時間をかなり多めに申告し、速攻で対応を終わらせて喫茶店で専門書を読みふけって勉強時間にあてたりしたが、おそらくバレバレだったことだろう。転職が決まっていよいよ最後の訪問となったとき、「何かあるんでしょ!」と先手を打ってきて、とうとう一升瓶を持たせてくれたお姉さまはさすがだった。

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